子どもの医療費をケチる国

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病気の子どもの治療のためにクラウドファンディングを行う病院が増えている、そうです。
「難病の話かな」と思って続きを読んでめまいがしました。

国立成育医療研究センターが募ったのは子どもの血液がん治療に欠かせない無菌室2床(約3100万円)の新設費。
信じ難いですが老朽化でシャワーが壊れた無菌室では子どもは洗面器で体を洗っているそうです。

洗面器で体を洗うって何Σ( ̄□ ̄ ||
いつの時代?
ここ、どこ?

国立成育医療研究センターは国立の病院であり、厚生労働省所管の機関で安全性と有効性が充分に検証された高度先駆的医療の提供を行うことを目的の1つとしています。
そして、理念と方針には「子どもの患者の憲章」なるものも示されています。

子どもたちは、どんな病気であっても、もっともよいと考えられる診療を受けることができます。

「もっともよいと考えられる診療」って例えば血液がんの治療をしている子どもがシャワーが壊れているから洗面器で体を洗うとか?

厚労省の方、恥ずかしいと思いませんか。
国の責任でさっさと何とかしてください。
ここはお金を使っても誰も何にも言わないよ。

長野県立こども病院が募ったのはドクターカーの購入費(約2500万円)、大阪母子医療センターが募ったのは最新保育器の購入費(約1000万円)。
政府は1機100億円のオスプレイを米国に言われるままに購入していますが、これを全部用意しても消費税分にもなりません。

ノーベル賞を受賞した山中教授ですら寄付を募るくらいですから推して知るべしですが、研究費も足りていません。

慈恵医科大学はステロイド薬を毎日吸入しなくても効果が衰えないことを証明する小児ぜんそくの研究のため1000万円を目標に寄付を募っています。国からの3年間の研究費では成果が出ず、中断せざるを得なかったからです。

結果によっては子どもたちが使用する薬が減るかもしれないから製薬会社の協力は見込めません。しかし、公共の利益のために国が行う意義のある研究であると思います。

うちの子たちが病気でしんどいのにちゃんと見てあげられないって、いつからこんなことになっていたのかと思います。
それもお金がないわけじゃなくて、いらんことにばっかり使うから子どもの医療にしわ寄せがいっているって、どんだけ情けない国やねんと思います。

今は現場の壮絶な献身で持っているけど、こんなのいつまでも続きません。
その昔、トイレも整備できていないのに人工衛星をボンボン打ち上げるインドをどうしようもない国だと思いましたが、まさか自分とこもそうなっているとは思いませんでした。

人としてどうやねんという話です。
医療と教育は金をケチるな、と私は言いたい。

「子ども治療、ネット寄付に活路…資金難の病院増」、YOMIURI ONLINE yomiDr.、2018/1/12

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