電子タバコIQOSを販売するフィリップ モリス インターナショナル(PMI)がユーザーの喫煙習慣に関する情報をデバイスから収集するそうです。
5月16日現在で、記事には「これが規制当局に承認されれば」とありますが、試験的にすでに行われているはずで、タバコ業界のロビー活動はハンパないので気づいたら承認されていると思います。
何のためにユーザーの喫煙習慣に関する情報をデバイスから収集するかというと、
もっと売るため
です。
もちろんフィリップ モリスは
絶対にマーケティングの目的には使われない
と言っていますが、
IQOSに内臓されているマイクロコントローラーチップは、ユーザーが何回たばこをふかしたか、特定の1日に何本吸ったかなどの情報を保存し、フィリップ モリスにその情報を送信します。
これに関してフィリップ モリスは
デバイスからのデータは特定のユーザーにリンクするものではなく、デバイスの情報のみにとどまる。
と文書で回答していますが、フィリップ モリス はすでにIQOSユーザーの登録情報をデータベース化して蓄積しています。
IQOSのホームページを見るだけでも、ユーザー登録をしないと何一つ見ることができません。
この画面がいちいち出てきて店舗情報すらわからない。
そんなフィリップ モリスに「デバイスからのデータは特定のユーザーにリンクしない」と言われてもちょっと…ねえ。
ちなみにフィリップ モリスは登録の目的について「年齢確認をしないといけないから」と言っていますが…ねえ。
2009年にフィリップ モリスの子会社が行った特許申請は、IQOSのようなデバイスがインターネットを使ったホストへのデータのアップロードと、ホストからのダウンロードのための通信を構築するインターフェイスを保有しています。
ノースイースタン大学のグレゴリー・コノリー教授によると、喫煙習慣のデータ収集だけでなく、「IQOSの現行の喫煙パターンをプログラムし直して、強化し、中毒性を高めること」が可能になります。
フィリップ モリス のサイエンス・広報担当バイスプレシデントのモイラ・ギルクリストさんは
FDA(米食品薬品局)の諮問委員会で
IQOSからユーザーが摂取するものをいかなる方法でも操作するような意図を持った技術はない、ということは改めて確約できる。
と述べています。
そして、
フィリップ モリス はIQOSのデバイスを調整してニコチン量を変えることはできない。
と言っています。
そんなこと考えとったんかΣ( ̄□ ̄ ||
というのは、フィリップ モリスが申請している数々の特許の1つに
マウスピースに取り付けられたセンサーで喫煙者の唾液に含まれるニコチンを測定し、外部からデバイスに調整を加えることができる。
というものがあるからです。
この調整機能によって、喫煙者が摂取するニコチンの量をモニターし、ニコチンの上限値をコントロールすることができるそうです。
この特許についてフィリップ モリス は
当社のどの商品にも使用されておらず、予想できる将来にわたって使用する計画はない。
と文書で回答していますが、「予想できる将来」は限りなくすぐそこだと思います。
ギルクリストさんはこう言っています。
IQOSからユーザーが何回吸煙を行ったかなどのデータを収集することはできます。
でもデバイスのテクニカルな問題を解決する時だけです。
そして、FDAの諮問委員会で
「Bluetoothはどのように利用しているの?」
と聞かれてギルクリストさんはこう答えました。
デバイスをクリーニングする時期やヒートスティックがなくなりそうになると教えます。
ユーザーが紙巻たばこに後戻りしないように。
たとえば、「きょうはまだiQOSを使っていないようですが、禁煙したのですか。それとも紙巻たばこに戻ってしまったのですか」といったメッセージが届きます。
ハンパなくキモいΣ( ̄□ ̄ ||
とにかくわかったことは、電子タバコに手を出すと一生逃げられないということです。
そして禁煙しそうになったらデバイスを爆発させるんだと思います。
ブルブル…
<参照>
■Tom Lasseter, Duff Wilson, Thomas Wilson and Paritosh Bansal 翻訳:宮崎亜巳 編集:田巻一彦、「特別リポート:加熱式たばこiQOSに喫煙データ収集機能」、livedoor news、2018年5月16日 ロイター