「2011年と2016年とでは原発事故による汚染状況があまり変わっていない」という調査結果は、頭では理解できてもやっぱりショックです

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某テレビ関係者の方が言っていました。
「東北大震災や原発事故の特番は、もう視聴率が取れない」

忘れたいのか、なかったことにしたいのか、福島ももしかしたら少しはましになっているのかもと思いたい気持ちに時々なりますが、やっぱり子どもだけでも気をつけなあかんと思う記事を読んでしまいました。飯塚真紀子さんの「米・科学論文が示唆する『原発事故後の再汚染』の懸念 サンプル調査の結果が公表された」です。私のブログなんか読むくらいなら、すぐにこちらに飛んでいただきたいです。詳細は上記記事、または中で引用されている論文を参照頂きたいですが、その内容は本当に悲しい。

ものすごくザックリ言うと、

2011年と2016年とでは汚染状況があまり変わっていない。
除染の効果はほとんどなかったのではないか。

ということです。

5年も経つのにそんなことがあるのかΣ( ̄□ ̄ ||

放射性物質の半減期を考えたらそんなことがあるのは十分頭ではわかりますが、それでも改めて言われるとやっぱりショックです。

原子炉専門家のアーニー・ガンダーセン氏とウースター工科大学のマルコ・カルトフェン博士が集めたサンプルは、道路脇の土壌、車のフィルター、掃除機、風呂場の換気扇など生活の中にあるものでした。

それらがどれくらい汚染されているかというと、チェルノブイリを除く世界の多くの地域の100倍以上の数値で汚染されています。しかも、平均値が中央値の約8倍もあります。平均値をそれだけ押し上げるくらいのものすごい高い数値がサンプルには含まれているということです。

除染の効果について例に出されているのは、南相馬市役所の屋上です。

南相馬市役所の屋上は2014年に除染されましたが、2016年に同じ場所から採取したダストの数値は45000bq/kgと、放射性廃棄物を安全に処理するための基準値である8000bq/kgをはるかに超える数値でした。

「除染したところで、草木が風雨にさらされれば、放射性粒子が舞い戻ってきます。草取りをしても、翌年、また草が生えてくるのと同じです」とガンダーセンさんは言いますが、国的には一度除染したら仕事は終わりのようです。ある人が除染されたはずの自宅の車道から高汚染されている土壌が再び見つかったため、役人に報告したところ、「一度除染したところなので再除染する必要はない」という回答だったそうです。

何のための除染??Σ( ̄□ ̄ ||

内部被ばくの影響も深刻です。ガンダーセンさんは調査時、99.98%の放射性粒子をフィルタリングできるマスクを着けていました。それを測定したら17bqの放射線値を示しました。このような状況で、水は、食べ物は、と言い出したらどうなってしまうのだろうと思いますが、それでも政府は帰れと。
本当にどうかしています。

そして、5年経ったから、もしかしたら少しは状況がよくなっているのかもしれないと夢を見たかった私もどうかしています。
調べてくださった方々、本当にありがとうございます。

<参照>
■飯塚真紀子、「米・科学論文が示唆する『原発事故後の再汚染』の懸念 サンプル調査の結果が公表された」、現代ビジネス、2017/09/14
■飯塚真紀子、「『フクシマではいま、再汚染が起きている可能性がある』米国原子力研究家の警告」、現代ビジネス、2016/06/03

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